月別アーカイブ: 2013年8月

海外留学希望者に朗報


 留学促進へ官民基金

  高校生・大学生 奨学金の人数3倍    文科省方針

 

 グローバル人材育成のため、文部科学省は来年度、民間企業などと協力して基金を設け、海外留学を希望する大学生と高校生に対する経済的な支援を拡大する方針を決めた。政府は2020年の日本人留学生数を、対10年比で倍増する計画を進めており、基金の創設によって返済を求めない給付型奨学金の支給対象者を、来年度は現在の3倍を超える約36000人以上に増やし、海外留学の促進を図る。

 政府は今年6月に閣議決定した「第2期教育振興基本計画」で、20年に目標とする留学生数を大学生12万人、高校生6万人としている。学生の経済負担を軽減するため、官民ファンドの創設も検討するとしており、基金創設はこうした流れを受けた措置。大学生32500人、高校生3600人への支給額153億円を、基金への拠出金として来年度予算の概算要求に盛り込む。民間企業や個人から協力が得られれば、さらに対象者も増やしたいとしている。

 支給額は現在とほぼ同額を想定しており、大学生の場合、1年以上の長期留学で月額14.8万~8.9万円、短期留学なら同8万円となる。高校生は1年間の場合、年額40万円。さらに、2週間以上の短期留学についても新たに20万円を支給する。大学生と高校生の海外留学推進に関する今年度の同省の予算は約37億円で、来年度は一気に拡大する方針だ。

 基金の管理は、奨学金の貸与などを行う日本学生支援機構に任せ、留学経験のある学生と接触する機会が少なかった中小企業にも寄付を呼び掛ける考えだ。

             (2013.8.28付 読売新聞夕刊 抜粋)