TOEICとTOEFL、英ビザ申請に使えず


TOEICとTOEFL、英ビザ申請に使えず 不正発覚受け

英語力の証明に使われる国際的な検定試験「TOEIC(トーイック)」と「TOEFL(トーフル)」が、今月から英国ビザの申請に使えなくなったことが分かった。英国での試験で不正が発覚したため。TOEICの日本事務局は、英国渡航目的の受験者に受験料を返金する方針だ。

 留学支援業者によると、ビザを取得して英国の大学や大学院に留学する日本人は推定で年2千人。このほか、就労や移住を計画する人にも影響が出ている。

 きっかけは、2月の英BBCの報道。ロンドンであったTOEIC試験で、替え玉受験や試験監督が解答を読み上げる不正が行われていたと報じた。

 TOEICとTOEFLを運営する米国の非営利団体ETSは、英国で「下請け業者による違法行為」を確認し、英内務省と結んでいた、英語力証明に使うための契約を更新しないと今月17日に発表した。TOEFLも同じ契約に含まれており、ビザ申請には使えなくなった。同省も「ETSが行うテストの受け入れを停止した」と発表した。

 TOEICを日本で運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会」は18日、20日に試験を受ける約600人にメールで周知。TOEFLの日本事務局「国際教育交換協議会」はウェブサイトで受験予定者らに謝罪した。ビザ取得に使える試験としては、IELTS(アイエルツ)などもあるが、申し込みが約5週間前に締め切られ、数日前の申し込みが可能なTOEFLより利便性が低い。実用英語技能検定(英検)は対象外だ。

 留学支援会社beoの青柳順子さんは「特に、個人で英国留学を準備している人への影響は大きい。IELTSのスコアを英大学の出願期限までに提出できずに、今秋の留学を断念する人が出かねない」と話す。

 年内の英国移住を計画していた関東地方の会社員男性(43)は20日のTOEIC受験を取りやめた。「すぐ受けられるほかの試験は見つからない。人生設計に影響してしまう」と話す。

 (伊東和貴、河村克兵)

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 <TOEICとTOEFL> TOEICはビジネス英語の能力試験で、約150カ国で年間約700万人が受験。日本では昨年、のべ258万人が受けた。TOEFLは英語圏の大学や大学院に入学を希望する非英語話者の英語力を測る試験で、これまで約130カ国で2700万人以上が受けた(受験者数は実施団体のウェブサイトによる)。

----->朝日新聞デジタル   2014年4月25日 転載


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